肝硬変において腹水が発症すると、病院では末期症状と判断します。
癌の場合も、非代償性の肝硬変であれば、
癌で亡くなるよりも、肝不全で亡くなることも多いと思います。
腹水の根本的な治療があれば良いのですが、多くは一時的な対症療法ですので、
腹水が余命宣告のタイミングとなることもあります。
肝硬変後の3大死因は、以下のようなものです。
肝機能が徐々に低下して肝不全になり、
食道静脈瘤破裂で大量吐血による失血死 ・肝性脳症による昏睡などです。
肝硬変の腹水治療
私たちの所には余命を告げられた方も少なからずいらっしゃいます。
たしかに「腹水」は末期症状ですが、腹水がでていても、まだ少ししか利尿剤を服用して
いなければ、そして漢方薬が苦くても飲むことができるなら、まだまだ方法はあり、
腹水がコントロールできた時、生命は延びると私は考えています。
いの一番に、御本人が頑張って煎じ薬を飲むという意志の確認が必要です。
健康食品(苦い粉とミネラルの粒です)も併用してほしい。コストは非常に高くなります。
まずは漢方薬によってすみやかに腹水を改善しておきます。
約半数以上の人は20日以内に腹水や足のむくみは改善しています。
しかし、ここではまだ根本的な治療にはなっていません。ここからが大切なのです。
ここから越えたい山がいくつかありますが、
まずは、腹水がコントロール出来るようになるころからは、
いかに利尿剤を減らしていくか。。。大切なことなのですが簡単ではありません。
この山を越えないと、利尿剤のマイナス点だけが出てしまいます。
それほど利尿剤を長期間服用している場合は難しくなるのです。
利尿剤のマイナス点というのは、当然医師も知っていることなのですが、
だんだん腎臓の機能が低下し、腎不全にまでなり得ます。
血管の中が脱水状態になり、尿酸値も上がり、上部消化管出血の
可能性が高くなるなどです。
このことは、特に泌尿器科医や腎臓に詳しい医師は敏感なんですよ。
そして同時に少しずつ肝臓の働きを高めて、その結果としてアルブミンを増やしたい。
また同時に血流の改善、炎症の改善、そして上部消化管出血予防、
肝性脳症の予防、癌予防のケアもしていきたいと思います。
肝硬変の腹水の原因の多くは
血中アルブミン低下と門脈(小腸から肝臓へ流れる太い血管)の血流が
悪くなったための門脈圧亢進によるものです。中でも血中アルブミンが重要です。
アルブミンは肝臓でつくられるのですが、
肝臓の働きが低下したためにアルブミンをつくりにくくなっている。
外からアルブミンを入れても定着しないので、なんとしても残った肝機能を
高めることによって肝臓がアルブミンをつくるようにもっていきたい。
西洋医学では不可能なのですが、これが私の長年のテーマだったのです。
そして、少しでもアルブミン値が上がる可能性はでてきましたが
短期間では難しく、6ヶ月や10ヶ月、場合によっては1年もかかります。
それまでの間は、煎じ薬によって腹水のコントロールをできればと思います。
余命宣告を受ける状態を「5年生存」「10年生存」にもっていくには
難関がいくつもありました。
アルブミンを上げることもいくつもの難関のうちの一つです。
漢方薬によって腹水を改善してから、病院の利尿剤を
すこしずつ減らしていって腎臓をいためないことも重要です。
利尿剤を何ヶ月も服用している場合はさらに難しい状態なのです。
その他のポイントについては後述します。
肝硬変になっていても天寿をまっとうして欲しいのです。
それが私の目標であり願いです。
そのためにも、できれば、腹水が出る非代償性肝硬変ではなく
腹水などがまだ出ていない代償性肝硬変の時期に来てくれるとありがたいです。
しかしながら、非代償性肝硬変になって腹水が出ている状態であっても、できるだけ
まだ肝臓の働きが残っている間に少しでも早く来てほしいと切に願っています。
西洋医学では、アルブミンが低下しだしても、
その状態を食い止め、回復させる方法をがないのです。
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