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バセドウ病

バセドウ病 (バセドウ病は英語圏ではグレーブス病 Graves' diseaseと呼ばれる)
  
バセドウ病原因症状治療法妊娠出産免疫について述べます

Q&A バセドウ病
 Q1. .バセドウ病は漢方で治りますか?
 Q2. .漢方薬は何ヶ月くらいで効果がわかりますか?
 Q3.バセドウ病の生活養生を教えて欲しいのですが。
 Q4. 甲状腺の病気をもっています。バセドウ病ですが、
     海藻類は控えたほうがよいでしょうか?

 Q5.バセドウ病眼症は治りますか?
 Q6.バセドウ病ですが、メルカゾールの副作用が強く出たために
        『手術しかない』と言われました。手術をしないで何とかなりますか?

 
Q7.バセドウ病です。漢方薬と病院のお薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか?
 
Q8.なぜ漢方の方が良くなる確率が高く、しかも早く良くなるのですか?
 
Q9.バセドウ病が悪くなる原因にはどんなことがありますか?

バセドウ病と妊娠、出産、遺伝についてのQ&A
 
バセドウ病は20〜40歳代の女性が最も多く、
 妊娠・出産の時期と重なると、妊娠・出産、そして遺伝など
 については最大の心配事になります。

 そこでバセドウ病と妊娠について、抗甲状腺薬と妊娠について、
 流産や早産について、子どもとバセドウ病の遺伝について、
 Q&A方式で説明します。


Q1.バセドウ病は漢方で治りますかバセドウ病と診断されました。
  妊娠を望んでいますが、大丈夫でしょうか?


Q2.バセドウ病と診断され、抗甲状腺薬治療を受けることになりました。
  妊娠を望んでいますが、胎児の発育や、奇形の心配はありますか?


Q3.抗甲状腺薬を内服中です。副作用もなく、甲状腺機能は良い状態で安定しています。
   そろそろ妊娠を考えていますが大丈夫でしょうか?


Q4.妊娠を望んでいますが、プロパジール、チウラジールが副作用で内服できず、
   現在メルカゾールを内服しています。どうすればよいでしょう?


Q5.抗甲状腺薬を内服中に予定外に妊娠してしまいました。どうすればよいでしょうか?

 バセドウ病は治ります。   
 『バセドウ病が治る』 と言うことは、FT3・FT4・TSHの安定だけではなく
 自己抗体のTSHレセプター抗体(TRAb)が正常値になり、そこで安定することです。

 TSHレセプター抗体(TRAb)(その他TSAbやTBIIなど)は
 甲状腺の細胞にあるTSH受容体に対する抗体です。 

 バセドウ病では、このTRAbが甲状腺のTSHレセプターにくっついて、
 甲状腺を刺激し甲状腺ホルモンをどんどん作らせてしまいます。

 残念ながら西洋医学ではバセドウ病の自己抗体を正常化する手段はないのですが
 漢方と免疫、そして生活養生をすればバセドウ病の自己抗体の正常化は可能です。

 煎じ薬と免疫の錠剤を併用できっちり服用した場合、バセドウ病の
 高い自己抗体の数値が約3か月〜6か月もあれば、
 多くの人が約半分くらいに改善されています。

 バセドウ病で自己抗体が正常値になった人はたくさんいます。

  バセドウ病の症状の改善は早いですよ。
  
早い人は2〜3日、半数以上の人は1ヶ月で効果は見えています。
  
皆さん、『漢方の効き目って早いんだなぁ』って驚きはります。

  メルカゾールなどで肝機能が悪くなったり、顆粒球が減少してしまう人は、
  アイソトープで焼くか手術しかない!と言われますが、
  そのような人でも漢方薬と免疫の錠剤によって、肝臓も一緒に良くなります。


 バセドウ病、すなわち自己抗体の改善が血液検査で明確になります。
 また、念のためにTgAbやTPOAbなどの自己抗体も
 一度はチェックしておくのが良いと思います。

 まずは基礎的なことから知識を深めて下さい。

甲状腺

 甲状腺は,蝶が羽を広げたような形で,のどぼとけの下にあります。
 大きさは、左右に広く縦4cm厚さ1cmで重さは15g、
 正常の甲状腺は柔らかいので外からは触ってもわかりません。

甲状腺は 体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンを2種類合成し
3個のヨードを含むT3(トリヨードサイロニン)と、
4個のヨード含むT4(サイロキシン)を血中に分泌します。
そして脳下垂体からでる甲状腺刺激ホルモン(TSH)により調整されます。


 FT3・FT4・TSHは血液検査によってわかりますから
 バセドウ病の進行または治療による改善をみるためにも大切です。
 
 しかし、バセドウ病では自己抗体を見つめていくことはもっと大切です。

甲状腺ホルモンの働き

 甲状腺ホルモンは発育や成長に欠かせないホルモンです。
 全身(脳、心臓、消化器、筋肉、皮膚、など)の新陳代謝を活発にし、
 精神神経や身体の活動の調整にも働きます。
 
 バセドウ病では
 甲状腺ホルモンが出すぎて、脈が速くなり、体温は上昇し、汗をよくかきます。

バセドウ病の原因

 甲状腺機能亢進症の代表的な病気がバセドウ病です。
 バセドウ病は、
自己免疫疾患のひとつです。

 免疫のくるいにより、自分の甲状線を異物と勘違いして、
 甲状腺の表面にあるTSHレセプター
 に対する自己抗体(TSHレセプター抗体、TRAb)をつくってしまいます。
 
 このTRAb が甲状腺のTSHレセプターにくっついて甲状腺を刺激するために、
 甲状腺ホルモンを過剰につくり続けるバセドウ病になるとされています。

 この自己抗体も血液検査でわかります。
 バセドウ病が完治するには、この自己抗体が正常値になることが必要です。

 バセドウ病は大量に産生された甲状腺ホルモンが、
 血液中に多く流れ全身の新陳代謝を活発にさせます。
 新陳代謝が活発になり、常にジョギングしているような状態です。

バセドウ病の症状
 バセドウ病の症状としては
 全身の新陳代謝が活発になっている為に様々な症状が現れます。

 全身症状--------暑がり、疲れやすい、だるい、体重減少または体重増加
 体温------------37.5℃前後の 微熱
 顔つき・首-------目つきがきつい、眼球突出(3割程度)、複視、甲状腺腫大
 神経・精神症状---イライラ感、落ち着かない、集中力低下、不眠
 循環器症状------動悸、頻脈、心房細動、心不全、むくみ、息切れ
 消化器症状------食欲亢進または低下、口渇、軟便、排便回数増加
 皮膚------------発汗、脱毛、かゆみ、皮膚が黒くなる
 筋骨症状--------脱力感、筋力低下、骨粗鬆症、手足のふるえ
 周期性四肢麻痺(男性のみ)
 月経------------月経不順、無月経、不妊
 血液値----------コレステロール低下、血糖上昇、血圧上昇、肝障害

バセドウ病と妊娠・出産・授乳

 バセドウ病があると妊娠、出産、授乳に対して
 不安をもたれる女性が多いのですが、産科医に知らせておけば大丈夫です。
  
 抗甲状腺剤が必要な場合には、抗甲状腺剤をのまないよりも、
 のむ方が母子ともに安全です。安心しておのみ下さい。

バセドウ病の病院での治療法

 病気の程度やライフスタイルによって選択は異なりますが
 バセドウ病の治療は、甲状腺ホルモンをコントロールすることです。
   
 抗甲状腺剤の内服、
  MMI(メルカゾール)、PTU(チウラジールかプロパジール)の2種類
  適応  ・年齢の制限はなく病気の軽い人  ・甲状腺腫が小さい人  
  長所   ・外来治療 ・治療効果が可逆性  ・妊娠、授乳が可能
  短所   ・治療期間が長い(1年〜数年間)  ・實解率が低い ・副作用
   他の薬との飲み合わせは、 一緒に飲んではいけない薬はなく、
   他の病気で治療を受けている時も服用を続けて何の問題もありません。
 
手術(甲状腺亜全摘術)
 
アイソトープ治療(放射線ヨード内服)
           の3つの治療法があります。


甲状腺やバセドウ病について、すこし調べるだけで
以上のことはすぐにわかるかと思います。

 でも皆さんはここで、はてな?と思いませんか。
 バセドウ病は
自己免疫疾患である
 でも治療は甲状腺ホルモンをコントロールすることである。
 という点についてです。(コントロールするだけで完治する人もあるので、
                それはそれでいいのはもちろんですが。)

自己免疫疾患の治療の本筋は

免疫のくるいを正すことと、
免疫のくるいによってつくられすぎた自己抗体を処理することが大切です。


甲状腺ホルモンをコントロールすることも、もちろん大切ですが、
自己抗体をへらし、免疫のくるいを更正することはもっと重要です。

自己免疫疾患の原因

免疫力が正常であれば、自分自身とウイルスなどの外敵とを区別して、
(決して自分自身を攻撃することなく)外敵だけをやっつける「抗体」をつくります。


ところが免疫系が酷使され続けて、
「自分と自分以外の敵を識別する力」に異常をきたすと、
自分自身を攻撃する「自己抗体」をどんどん作ることになってしまいます。

       免疫異常
          ↓
 自己と非自己を識別できなくなる
          ↓
 自己を攻撃する「自己抗体」を作る。


まるで、本来国や国民を守るための自衛隊が狂って、国民を攻撃するのに似ています。
自己抗体にはたくさんの種類があるのですが、
それぞれの自己抗体が細胞や組織を壊していく、これが自己免疫疾患です。
免疫の狂いが原因です。


自己免疫疾患について、もっと詳しく知りたい方は
  「自己免疫疾患」の項目を参考にして下さい。

バセドウ病の漢方治療

 漢方誠芳園薬局では、T3・T4・TSHの改善だけではなく
 根本治療として自己抗体の正常化を目指します。
 自己抗体を正常化することが、バセドウ病が治る。といえるからです。


 漢方薬は抗甲状腺剤と併用してもよいものですので
 まずは3ヶ月飲んでみて、バセドウ病の改善、すなわち
 FT3・FT4・TSHや自己抗体の変化を見てはいかがですか。


 バセドウ病の症状の改善は早いですよ。 
 早い人で3日以内、半数以上の人は1月で効果は見えています。
 
皆さん、『漢方の効き目って早いんだなぁ』って驚きはります。

 お勧めは、免疫を良くするものと煎じ薬の併用です。
 気になるお値段は1ヶ月 35,100円です。
 煎じ薬だけの場合は1ヶ月 19,500円です。

 漢方薬は病院のバセドウ病の薬と併用しても大丈夫です。
 良くなってきてから、ほとんどの場合、医師が病院の薬
を減らしてくれます。

                           詳しくはお問合せフォームからご質問下さい。

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Q&A バセドウ病

Q1.バセドウ病は漢方で治りますか?

A.良くなる人は非常に多いです。バセドウ病は治ると言って良いでしょう。

  バセドウ病が治るということは、自己抗体であるTRAb(抗TSHレセプター抗体)が
  正常値になって、ずっと正常値のままで安定するということです。

Q2.漢方薬は何ヶ月くらいで効果がわかりますか?

A.バセドウ病の症状の改善は、ほとんどの場合1ヶ月以内に、早くて数日で効果は実感しています。
  遅くて1〜2ヶ月くらいでしょうか。

  血液検査上では、FT3、FT4は1ヶ月以内に、遅くても2ヶ月以内に効果が見えます。
  TSHはおくれて、ゆっくりと上がって来ます。
  自己抗体のTRAbは、ほとんどの場合3ヶ月〜6ヶ月で半分くらいになります。

  半数の人は1年で自己抗体のTRAbが正常値になっています。
  TRAbが正常値になっても、念のため、あと1年間は続けることをおすすめしています。

  しかし、夜更しする人や、ものすごいストレスのある人、頑張りすぎる人は
  良くなるスピードがゆっくりで
、2年、3年かかる人もいらっしゃいます。

  また、バセドウ病も一般の疾患と同じように、なって間もない人、軽い人は早く、
  長い経過の人や、重症の人はゆっくりペースのようです。
   
参考) 西洋医学で自己抗体が正常化するまでの年数。
        ある甲状腺専門病院では2年間で約33%の人が正常化していると報告。
        甲状腺学会では4年〜7年で約40%の人が正常化ていると報告。
        ただし、その後の1年間でほぼ30%の人は再発しているとのこと。


Q3.バセドウ病の生活養生を教えてほしいのですが。

A.
生活養生は非常に大切です。 まずは、夜更ししないこと。
  できれば夜の11時までには寝て欲しいですね。いくら遅くても12時までです。
  次に頑張りすぎないこと。 ものすごいストレスがある場合は、なんとか解消してほしいです。
  完全治癒するということに関して、生活養生できる人とできない人の差はものすごくあります。

Q4. 甲状腺の病気をもっています。バセドウ病ですが、海藻類は控えたほうがよいでしょうか?

A.バセドウ病や腺腫様甲状腺腫の方は制限の必要はありませんが、
多目には摂らないようにしてください。

一般にヨードの推奨摂取量は1日あたり0.15rといわれています。
日本は四方を海に囲まれており、十分な量のヨードを海産物から摂取しているので
1日あたりの平均摂取量は1〜3rで多いのですが、このくらいは大丈夫なのです。
そこからさらに摂り過ぎるのは良くないと思います。

バセドウ病では、ヨードを過剰に摂ると
抗甲状腺薬でもコントロールが難しくなったり、
治りにくいという報告があります。
逆にヨードが欠乏している地域では、抗甲状腺薬の効果が
早く出たり、抗甲状腺薬の必要量が少なくてすむといわれています。

バセドウ病治療のガイドラインでは、
ヨードの制限は必ずしも必要はないとされていますが、
それでもヨードは少ないほうが治療経過は良いようです。
少なくとも過剰には摂らないほうがよいでしょう。

妊娠中
また、妊娠中ですが、米国では妊娠中のヨード摂取量を
1日0.5r以下にすることを推奨しています。
わが国では、一般的な食事ですでにその量を超えていますので、
一般的な食事以上にヨードを摂取することは控えましょう。

ヨードを多く含む食品

食品

1食に摂る標準量

1食あたりのヨード含有量

昆布の佃煮

510g

1020r

昆布巻き

310g

620r

とろろ昆布

5g

9r

昆布だし汁

昆布として0.51g

13r

ヨード卵

1

0.40.7r

ひじき

57g

1.52r

わかめ吸い物

12g

0.080.15mg

海苔

12g

0.12r

寒天

1g

0.18r



Q5.バセドウ病眼症は治りますか?

A.バセドウ病眼症の原因はわからないとされていますが、
  自己抗体が悪さをしているという説が有力です。
  漢方を飲んでいくと、すみやかに自己抗体は下がってきますので、
  バセドウ病眼症は進行しにくくなるようです。

  バセドウ病眼症が、1〜2ヶ月で明らかに改善した人もいますが、
  なかなか2ヶ月では変化のない人もいます。
  固定化された経過の長い場合や炎症が強い場合は
  時間がかかるように思います。初期の段階には改善も早いと思います。

  参考) 眼の構造とバセドウ病眼症
   眼球の表面は角膜、結膜、眼瞼(まぶた)で被われていて
   眼瞼をつり上げる筋肉(眼瞼拳筋)があります。
   眼球の後ろには脂肪組織、眼球を動かすための小さい筋肉(外眼筋)、視神経があります。

   バセドウ病で初期に起こる眼の変化は
    1.眼瞼拳筋のけいれんによって上眼瞼が下がりにくくなる。
    2.外眼筋が炎症のために腫れる。
    3.脂肪組織が増殖する。    などです。
                           
  次に眼瞼の腫れ、眼球突出(突眼)、結膜のむくみや充血、流涙が
  見られるようになります。さらに眼を閉じることが困難になれば角膜潰瘍。
  外眼筋の炎症のために左右の眼が協調して動かなくなると
  複視(ものが二重にみえる)、外眼筋が視神経を圧迫すると視力低下を起こします。

Q6.バセドウ病ですが、メルカゾールの副作用が強く出たために『手術しかない』と言われました。
   手術をしないで何とかなりますか?


A.メルカゾールの代表的な副作用は肝障害と顆粒球減少ですが、血液検査ですぐにわかります。
  その副作用が出ると、病院では手術かアイソトープを勧められます。

  私共にはバセドウ病の人の1割i以上の人はそのパターンでいらっしゃいますが
  手術をしなくても、またアイソトープをしなくても、皆さん大丈夫になっていますよ。 
  漢方で良くなりますが、念のために、少しの間だけヨー化カリウムを併用した人は多いです。
 
  漢方薬によって、メルカゾールによる副作用の肝障害などは簡単に良くなりますし 
  バセドウ病自体も良くなってきます。

Q7.バセドウ病です。漢方薬と病院のお薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか?

A.漢方薬と病院のお薬との併用は大丈夫です。
  同時に飲んでも構いません。 血液検査も良くなってきますので、病院側でお薬を減らしてくれます。
  
Q8.なぜ漢方の方が良くなる確率が高く、しかも早く良くなるのですか?

A.西洋医学はメルカゾールによって高いFT3やFT4を抑えているだけです。
  漢方ではバセドウ病の病態自体を良くし、高い自己抗体を改善する工夫をしています。
  さらに、『ごきげんさんにすごす』ことや、夜更かしをしないようにお願いしています。
  これでは、良くなる確率が高く、しかも早く良くなるのもわかりますよね。

Q9.バセドウ病が悪くなる原因にはどんなことがありますか?

A.私は、バセドウ病が悪くなる原因として、いつも言っていることは
@夜更かし Aストレス B頑張りすぎ の3つです。
  
ストレスとしては主に、転職、結婚、離婚、本人や子供の受験、看護、配偶者の死亡などです。
それ以外には次のようなことがあります。
 ○出産
  妊娠中は軽くなることが多いですが
  産後3〜9か月頃にかけて悪くなることがたびたびあります。
 ○花粉症 
 ○インターフェロン治療 
    2〜6ヶ月で悪化する可能性が高い。
 ○婦人科の子宮内膜症や不妊治療に使われる
   ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(GnRHアゴニスト)
   (スプレキュア・ナサニール・ゾラデックス・リュープリンなど)
   数か月〜1年程してから悪化することが多い。
  ○副腎皮質ステロイド


Q&A バセドウ病と妊娠、出産、遺伝について

Q1.バセドウ病は漢方で治りますかバセドウ病と診断されました。
  妊娠を望んでいますが、大丈夫でしょうか?


A.大丈夫ですよ。ただ、安全に妊娠・出産するためには気を付けておかなくては
  ならない点がありますが、甲状腺機能が正常にコントロールされ病状が安定していれば、
  いつ妊娠しても大丈夫です。
  
  また、TSHレセプター抗体(TRAb)が非常に高い場合は、ある程度下がるまで
  妊娠を待ったほうがよいこともあります。
  
  抗甲状腺薬も、甲状腺機能が正常で安定していれば、内服しながら妊娠しても問題ありません。

  しかし、抗甲状腺薬の効果は個人差が大きく、
  1年たっても薬を減量できず、甲状腺機能も良い状態にならない方もあります。
  
  私は手術やアイソトープよりも漢方薬をおすすめします。
  自己抗体はずいぶん下がる人は多いです。

Q2.バセドウ病と診断され、抗甲状腺薬治療を受けることになりました。
  妊娠を望んでいますが、胎児の発育や、奇形の心配はありますか?


A.安心して内服してください。ただ、メルカゾールに関しては、非常にまれに奇形との関係が
  疑われており、妊娠を望んでいる場合はプロパジール、チウラジールの内服が推奨されています。

  妊娠中は母体のTSHレセプター抗体の影響が胎児にも及び胎児も甲状腺ホルモンを
  過剰に分泌するようになるのですが、妊婦が服用している抗甲状腺薬は母体だけでなく胎児の
  甲状腺機能も抑えますので、胎児が無事に発育するために大事な働きをしています。

  抗甲状腺薬は胎児の治療にもなります。
  バセドウ病の場合は、妊婦が抗甲状腺薬を内服することは胎児にとっても有益なことなのです。

  そして、母体と胎児の甲状腺ホルモンには強い相関があるため、妊婦のFT4を測定しながら
  抗甲状腺薬の内服量を調整すれば、胎児もちょうどいい甲状腺機能にコントロールできるのです。
  
  逆に妊婦の甲状腺機能亢進症のコントロールが不十分で甲状腺ホルモンの高い状態が続くと、
  流産や早産の原因になったり、生まれてきた子どもが小さいなどの悪影響があります。
  正常化していれば妊娠はいつまでも可能です。

  抗甲状腺薬と奇形の関係
  次に、奇形の問題です。抗甲状腺薬を内服しながら妊娠しても
  このような一般的な奇形の頻度は高くなりませんので安心してください。
  ただし、メルカゾールを内服している妊婦から生まれた子どもに、
  頭皮欠損症というまれな奇形がみられたという報告や、後鼻孔閉鎖症、気管食道瘻、
  食道閉鎖症、臍腸管瘻などの非常にまれな奇形が起こったとの報告が最近なされました。
  一方、プロパジール、チウラジールではこれらの奇形はほとんど報告されていません。

  以上の点から、メルカゾールが関係しているのではないかと疑われています。
  しかし、メルカゾールの内服量と奇形の発生には相関がないこと、
  一卵性双生児の一方だけにみられた例があること、
  またメルカゾールを内服していてもまれにしか起こらないことから、
  メルカゾールが関係しているとしてもそれだけでは起こらず、
  遺伝的な要素やその他の要因が加わらないと発生しないと考えられています。

  しかし、わずかでもそのような奇形のリスクは避けておきたいので、
  妊娠を望んでいる場合はプロパジール、またはチウラジールの内服が推奨されています。

Q3.抗甲状腺薬を内服中です。副作用もなく、甲状腺機能は良い状態で安定しています。
  そろそろ妊娠を考えていますが大丈夫でしょうか?


A.プロパジール、チウラジールを内服していて、
  甲状腺機能が正常で安定しているのであれば、いつ妊娠しても大丈夫です。
  メルカゾールを内服中の場合は、わずかですが奇形のリスクがありますので、
  プロパジールまたはチウラジールの内服に変更しましょう。

  薬剤変更後は甲状腺機能が変動したり、
  副作用の現れる可能性がありますので3か月以上経過して
  副作用の心配もなくなり、甲状腺機能が正常で安定すれば妊娠はいつでも可能です。

Q4.妊娠を望んでいますが、プロパジール、チウラジールが副作用で内服できず、
   現在メルカゾールを内服しています。どうすればよいでしょう?


A.バセドウ病が良くなってメルカゾールを中止できてから、妊娠を計画することが理想的です。
  それまで待てない、あるいはメルカゾールを中止できそうにないときは、
  アイソトープ治療か手術による治療も選択肢の1つと言われますが、
  私は漢方薬をおすすめします。
  漢方薬とLEMでいく方が早く改善するからです。

  ただ、メルカゾールを内服した状態で妊娠してはいけないということはなく、
  内服の仕方を工夫することで問題なく妊娠することも可能です。

  メルカゾールとの関連の疑われる奇形は妊娠4〜8週のあいだに
  メルカゾールを内服することで起こる可能性が高まりますので、
  妊娠3週の終わりからメルカゾールを中止して、
  妊娠9週からメルカゾールを再開すれば問題は起こらないと考えられます。

  しかし、妊娠4週の始まりというのは最後の月経からちょうど次の月経が始まる前後であり、
  月経の遅れに気づいたときには妊娠4週またはそれ以降になっていることが多く、
  メルカゾールをタイミングよく中止するのは難しいこともあります。

  月経周期が規則正しい場合は、
  予想される月経開始日の2〜3日前からメルカゾールを中止し、
  月経が始まればメルカゾールを再開する、妊娠が明らかになったら
  ヨード剤の内服で甲状腺機能亢進症の悪化を押さえるという方法で対処します。
  
  ただし、バセドウ病の活動性が強く、メルカゾールの一時的な中止でも
  甲状腺機能亢進症が悪化するような方はこの方法も難しいでしょう。
  このような時も、やはり漢方薬をおすすめしています。

Q5.抗甲状腺薬を内服中に予定外に妊娠してしまいました。どうすればよいでしょうか?

A.プロパジール、チウラジールを内服中の方はそのまま内服を継続して、
  妊娠を続けて問題ありません。
  メルカゾールを内服中の場合も基本的には妊娠継続をあきらめることはないです。
  妊娠のわかった時期によって、一時的にメルカゾールをやめることがあります。

  メルカゾールと関連が疑われている奇形の頻度はまれであり、
  メルカゾールを内服した状態で妊娠した子どもの大多数にはそのような奇形は発生しない、
  しかしわずかですがリスクはあるかもしれない、ということを十分理解したうえで、
  妊娠を継続するかどうか判断して下さい。妊娠を継続する場合は、妊娠9週または
  それ以降になっていれば、メルカゾールが奇形の発生と関係する可能性のある期間は
  過ぎていますので、そのままメルカゾールを継続します。
  妊娠8週またはそれ以前の場合は、その時点でメルカゾールをいったん中止し、
  妊娠9週からメルカゾールを再開します。
  メルカゾールを中止しているあいだは必要に応じてヨード剤を内服します。
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