特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
私共に、特発性血小板減少性紫斑病の相談でいらしゃる方は
病院で副腎皮質ホルモン(ステロイド)や様々の治療をしたけれど、
結局は芳しくなかったという人がほとんどです。 なかには血小板数が千とか二千とかでいらしゃった人もいました。
それでも半数以上の人は改善しています。
その中の約半数は一カ月くらいで効果は見えています。
残りの半数は、血小板の増加が波がありながらゆっくりペースです。
まずは特発性血小板減少性紫斑病についての
基本的なことを知っている方が良いと思います。
特発性血小板減少性紫斑病とは
免疫系が血小板を異物と勘違いし,血小板に対して自己抗体をつくってしまい
この自己抗体が血小板を壊してしまう病気。とする説が最も有力です。
血小板は出血を止める役割をしますから、
血小板が減少すると皮膚や粘膜などから出血しやすくなります。
特発性血小板減少性紫斑病の症状としては、
紫斑、または点状や斑状の出血があらわれます。
つぎに多いのは口腔粘膜や歯肉からの出血で、
鼻出血、性器出血、血尿などもしばしば起こります。
特発性血小板減少性紫斑病には急性型と慢性型とがあります。
急性型特発性血小板減少性紫斑病は
数週間以下、遅くても6ヶ月以内には自然に治るとされていますが、
10%程度の人で生命の危険にさらされることがあります。
また、10%ほどの人は再発することがあり、時には慢性型に移行します。
慢性型特発性血小板減少性紫斑病は
自然に治ることはほとんどなく、
軽くなったり、またぶり返したりをくり返します。
軽い状態の時でも、血小板数は正常の1/2〜1/3程度で、
まれに血小板数が正常の範囲に入った場合でも
血小板の寿命はいぜんとして短い状態にあります。
それでも、再生不良性貧血や急性白血病とは異なり、
致命的な頭蓋内出血をおこすことはまれです。
血小板は(1μL中)10万以下、大半の人は(1μL中)2万以下に著しく減少します。
血小板の寿命が非常に短くなり、特に急性のタイプに顕著です。
特発性血小板減少性紫斑病の治療としては
主に副腎皮質ホルモン(ステロイド)と摘脾とがあり
ヘリコパクターピロリ菌の除去をすることもあります。
特発性血小板減少性紫斑病治療の第一選択は
副腎皮質ホルモン(ステロイド)の服用とされています。
急性の特発性血小板減少性紫斑病では60〜90%の人に有効で、
血小板が正常の数に回復すれば少しずつ量をへらし、中止します。
慢性の特発性血小板減少性紫斑病では量をへらすと、
または中止すると半年〜1年で再発する例が多く、
ステロイドを中止しても再発しないのは10〜20%程度とされています。
このような治療が無効の人や、
または有効でも維持量が多いため副作用が強すぎるときは
摘脾が考えられます。摘脾とは脾臓を摘出することです。
摘脾によって特発性血小板減少性紫斑病が再燃しなくなるのは
50〜70%程度とされています。
これらの治療によって
良くならない場合はもちろん、良くなる人にも
私は免疫療法と漢方薬の併用をおすすめします。
特発性血小板減少性紫斑病の原因は不明とされる一方で、
その原因は抗血小板自己抗体によるとする説が最も有力です。
例えば自己免疫性溶血性貧血も
抗赤血球自己抗体によって赤血球が壊されます。
免疫学では
これら自己抗体による疾患を自己免疫疾患(膠原病)といいます。
ここで自己免疫疾患(膠原病)について説明します。
「眼からウロコが落ちる」ほど解かりやすいとよく言われるんですよ。
まず免疫をひとことでいいますと
@ 自己と非自己を識別する(つまり自分と敵を見分ける)
A 非自己(自分でない敵)を記憶してそれを排除する
という2点に集約されます。
こうして私たちの身体を守る働きを免疫といいます。
自己免疫疾患の発生原因は「免疫の狂い」により
@ の自己と非自己を識別する(つまり自分と敵を見分ける)能力
の低下から始まります。
自分と敵とを区別できなくなると、
本来はつくられにくい「自己抗体」がつくられてしまう。
「抗体」とは非自己をやっつける攻撃分子です。
ウィルスなどの外敵を処理します。
「自己抗体」とは自己すなわち、自分自身を攻撃する分子です。
自己抗体は自分自身の細胞や組織を外敵と勘違いし、
自分自身の細胞や組織を攻撃し、こわしていきます。
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免疫異常
↓
自己と非自己を識別できなくなる
↓
自己を攻撃する「自己抗体」を作る。 |
あたかも司令官が狂ったために、
本来国や国民を守るための自衛隊が国民を攻撃しているようなものです。
これを自己免疫疾患(膠原病)といいます。
日常のたび重なる食生活や生活習慣の乱れによる身体的ストレスや、
精神的ストレス、女性ホルモン、化学合成医薬品、細菌感染などにより、
自己と非自己(自分と自分以外のもの)との識別能力にくるいが生じる
ことから始まります。
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特発性血小板減少性紫斑病の漢方薬治療法は、
次のような状態に分類して漢方薬を使い分けて対応します。
1. 出血傾向のあるとき
2. 慢性出血で色素沈着を伴うもの
3. 易疲労、倦怠感を伴うもの
4. 出血性腫張、疼痛
同時に自己免疫疾患のキーワードと言える自己抗体に対応します。
治療目標は次の2点に集約されます。
1.免疫細胞の活性化により自己抗体をへらすこと。
2.免疫力を充実させ自己と非自己の識別能力を回復することにより
自己抗体をつくりにくくすること。
そのためにも免疫細胞と「肝臓免疫」「腸管免疫」を強化します。
免疫細胞と「肝臓免疫」を強化すれば、
身体中をぐるぐる回る「自己抗体」や「免疫複合体」を、
血液中や患部そして肝臓を通過するときにつかまえて分解排除します。
また「自己抗体」の産生を少なくするため
「腸管免疫」を強化することも有意義です。
ダニの糞及び、空気中や食物に含まれる
膨大な数の細菌やウイルスなどは腸管から侵入しますが、
腸管の免疫細胞たちは、毎日その対応に追われるため
酷使され疲労困憊して免疫異常をまねくからです。
私は、漢方薬と 健康食品 (一日一回6粒です)との併用を
おすすめしています。
一か月分で、漢方薬は19,500円。健康食品は15,600円です。
詳しくはお問合せフォームからご質問下さい。
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