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PMS(月経前症候群)の症状、原因、治療について |
PMS(月経前症候群)の症状、原因、治療について述べます。
PMS(月経前症候群)とは、
生理前の約2週間(基礎体温の高温相、つまり黄体期)に起こる
日常生活に差し障る心や体の症状の総称をPMSと呼びます。
PMS(月経前症候群)の症状
これらの症状は、月経開始2〜3日だけであったり、
排卵から月経開始までの約2週間であったり、
月経開始後も1〜3日は症状が消失しないなど、様々です。
PMS(月経前症候群)の精神的症状
○イライラする ○憂鬱になる ○眠れない ○理由もなく泣きたくなる
○仕事や勉強への根気がなくなる○物忘れがひどい ○考えがまとまらない
○眠くなる、○横になりたくなる ○孤独感、空虚感を感じる
○外出するのが億劫だ ○人との付き合いを避けるようになる
○興奮状態になる ○理由もなく不安感に苛まれる ○判断力が低下する
○疲労感集中力の低下 ○落ち着かない○気持ちが散乱する ○怒りっぽくなる
○気が動揺する ○仕事や勉強の能率が低下する ○緊張しやすくなる
PMS(月経前症候群)の身体的症状
○頭痛がする ○肩や首がこる ○吐き気がする ○下腹部が張る ○肌が荒れる
○息苦しい ○めまいがする ○胸がしめつけられるような気がする ○腰が痛い
○冷や汗がでる ○顔が火照る ○乳房が張る ○耳鳴りがする ○手足がむくむ
○動悸がする ○手足がしびれる ○食べ物の好みが一時的に変わる ○過食になる
○動作がぎこちなくなる ○体重の増加 ○皮膚のかゆみ ○ニキビや吹き出物が出る
PMS(月経前症候群)の特徴
もし、同じ症状が、周期的に現れ、症状の現れる時期が、生理前の2週間(黄体期)で、
日常生活にある程度影響するくらいに症状が重いなら、PMSと判断していいでしょう。
1)月経のある女性にのみ出現する
2)排卵から月経前、プロゲステロンが活発になる時期(黄体期)に出現する。
3)月経終了後、プロゲステロンが必要とされない時期(卵胞期)には消失する。
4)月経の周期に伴い反復して出現する。
5)血液中のプロゲステロン値が非常に高くなる妊娠中は症状がみられない。
月経前に現れる抑うつや倦怠感は、
時として他の心身症と混同される場合があるようです。
しかしPMSは、ある特定の時期にのみ症状が現れるという点で異なります。
※ 鬱病、慢性疲労症候群、自律神経失調症などの人は、
月経前になると特に症状が重くなる傾向にあります。
またパニック障害疾患者は、発作の頻度が増すようです。
これらは、月経性愁訴といい、PMSとは異なります。
PMS(月経前症候群)の原因
西洋医学的にはPMS(月経前症候群)の原因として、
ホルモンのアンバランスや脳内神経伝達物質であるセロトニンの
失調などが考えられますが、まだ明確にはされていません。
PMS(月経前症候群)の原因について、私はこう思います。
人間も動物ですから、本能的に種の保存のDNAが埋め込まれています。
女性が妊娠可能な状態になると、すなわち生理前の黄体期になると
妊娠への準備をします。
妊娠した場合、外敵から身を守るために神経を張りつめる、そして、
食糧を確保できない場合に備えて代謝を抑えて身体に蓄える、などの本能があり、
その結果としての正常な精神的症状や身体的症状なのだと思います。
でも、ある程度の症状はしかたなくても、過度の精神的症状や身体的症状は困ります。
この過度の精神的症状や身体的症状を改善し、
日常生活を豊かにすることは漢方薬では可能です。
PMS(月経前症候群)の治療
PMS(月経前症候群)は、イライラして周りの人にあたりちらしたり、暴言をはいたりして
「情緒不安定」や「気まぐれな性格」などと人格を疑われてしまうことまであります。
職場における人間関係が損なわれ、仕事上の効率も低下し、
トラブルが発生する原因になる事もあります。
PMS(月経前症候群)は本人がつらいだけではなく、周りの人も
結構たいへんなこともあり、漢方によってPMSが良くなってくると、
本人だけではなく周りの人にも喜ばれます。
まず自分がPMSについて知識を持って、気づくことが治療の第一歩です。
自分を悩ます症状がPMSであることを理解するだけで症状が軽くなることもあります。
西洋医学ではPMS(月経前症候群)の治療の特効薬はないため、
どうしても対症療法が主になっています。
ずっと使っていると副作用がでることもあるし、
症状に対してもなかなか満足な改善とはいかないようです。
漢方医学では、身体的症状だけではなく精神的症状にたいしても有効です。
漢方は症状や体質にあわせるオーダーメイドで、体内環境を良くするために、
PMS以外の症状まで改善することもあります。
例えばバセドウ病、橋本病、子宮内膜症、子宮内膜増殖症、不妊症、主婦湿疹、
月経前のニキビや吹き出物、たちくらみ、めまい、ふらつき、肩こり、生理不順、
慢性疲労、慢性頭痛、胃腸虚弱、過敏性腸症候群なども改善することがあります。
漢方処方
○四逆散 ○抑肝散加陳皮半夏 ○加味逍遥散 ○柴胡桂枝湯
○温清飲 ○黄連解毒湯 ○柴胡加竜骨牡蛎湯 ○桂枝加竜骨牡蛎湯
○四物湯 ○桂枝茯苓丸 ○桃核承気湯 ○甘麦大棗湯
○キュウ帰調血飲第一加減 ○当帰芍薬散 ○通導散
○五苓散 ○苓桂朮甘湯 ○加味帰脾湯 ○半夏厚朴湯 など
精神神経系だけではなく、内分泌系、自律神経系などの改善も期待できます。
ご家族や友人などの周囲のあたたかい理解も大切です。
日頃から生活習慣をととのえ、適度な運動もとりいれて、
PMSとうまく付き合ってください。。 |
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